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病気のはなし

胃食道逆流症(GERD)

健康診断科部長 須藤 紀子
(緑のひろば 2015年9月号掲載)

甘いものや油っこいものを食べた時に胸やけや酸っぱいものが上がってくる(呑酸)といった症状を感じたことはありませんか?それは胃食道逆流症(GERD: Gastroesophageal reflux disease)による症状かもしれません。

 GERDとは胃と食道のつなぎ目の締まりが悪くなることにより、胃酸が食道に逆流し、胸やけを中心とした症状を引き起こす疾患のことをいいます。

GERDの分類

 GERDは内視鏡による下部食道の観察から下記のように分類されます。
@逆流性食道炎:胃酸逆流による下部食道の粘膜傷害(びらんや潰瘍)を認めるもので、傷害の程度によりグレードを6段階に分類します。
(ロサンゼルス分類 grade N,M,A,B,C,D:軽度→重度)
・症候性逆流性食道炎:胸やけ・呑酸などの症状があるもの
・無症候性逆流性食道炎:症状のないもの
A非びらん性胃食道逆流症(NERD): 粘膜傷害はないのに症状だけが現れるもの

GERDを誘発・増悪因子

 GERDの症状は食事や体型など様々な要因により誘発されたり、さらに悪化(増悪)したりします。甘いもの、油っこいもの、アルコール、喫煙は代表的な増悪因子です。また肥満、円背といった体型、腹部を締め付けるベルトやコルセット、腹圧をかけるような前傾姿勢も増悪因子となります。このほか血圧を下げる薬や喘息の薬、痛み止めなどの薬のなかにはGERD症状を増悪させるものもあります。

GERDの頻度と性差

 逆流性食道炎の有病率を各年代別にみると、男性では30歳代から70歳代まではいずれの年代も15%前後で変わらず、80歳代を越えると25%前後に増加します。一方女性では30歳代から50歳代までは10%前後と男性より有病率は低めですが、60歳代で約15%、70歳代では約20%、80歳代を越えると30%と、加齢にともない増加します。若年から壮年での有病率は男性の方が高く、高齢者では女性のほうが有病率は高くなります。この有病率の性差は、男性では中高年のメタボリック症候群や高脂肪食、アルコール摂取が関与し、高齢女性での有病率の上昇は、閉経後骨粗鬆症が関与する圧迫骨折とそれによる円背・前傾姿勢、腰痛に対するコルセットの使用などが関与していると考えられます。

GERDの診断

 GERDの診断は内視鏡検査により逆流性食道炎があるかどうかと、症状があるかどうかを組み合わせることで行います。しかし、どんな施設でも必ず内視鏡検査が行えるわけではありません。そのような場合、GERDの特効薬とされているプロトンポンプ阻害薬というお薬を飲んで、症状が改善されればGERDである、と診断することもあります。

GERDの食道外症状

 GERDの主症状は胸やけ・呑酸ですが、GERDが関与する食道外症状として、胸痛や胸の灼熱感、喉の違和感、つかえ感、しつこい咳、不眠などが出現することがあります。これらの症状については胸痛であれば循環器疾患(狭心症や心筋梗塞など)、咳であれば呼吸器疾患、喉の違和感であれば耳鼻咽喉疾患などについてまず調べて、それぞれの専門科の疾患によるものではないと判断されれば、GERDによる症状であると診断します。

GERDの治療

 GERDの治療の基本は前述のような食事・肥満・体位などの誘因・増悪因子を除くことです。さらに食べすぎや夜遅くの食事、食後すぐのごろ寝を控えることも症状出現を押さえてくれます。夜間胸やけが出現するようであれば上半身を高くして寝ることも有効です。それでもなお症状が出現する場合は薬物治療を行います。プロトンポンプ阻害薬やH2受容体拮抗薬、あるいは消化管運動機能改善薬といったお薬が使われます。高血圧などでお薬を飲み始めてから出てきた胸やけなどの場合は、それらのお薬による胸やけの症状ではないかどうか主治医に相談し、別のお薬に変えてもらうことで症状が改善することもあります。


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