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病気のはなし

神経因性膀胱・尿排出障害について

神経泌尿科部長 大矢 和宏

皆様、「神経因性膀胱」という病気知っていますか?難しく言うと「膀胱の支配神経の障害により生じる膀胱機能障害」となりますが、膀胱そのものだけの病気でなく、色々な神経(精神ではなく)の病気で起きる「おしっこの異常」です。膀胱に「おしっこ」が貯まると「おしっこ」がしたくなりますよね。でも取り敢えずは我慢出来ます。そしてトイレに行って、「おしっこするぞ」と排尿します。それで「スッキリ」します。良かった良かった。この段取り上手くいかないと「排尿障害」という事になります。「排尿障害」は「おしっこ」が我慢できない「蓄尿障害」と「おしっこ」が出にくくなる「(尿)排出障害」に分けて考えると解りやすいです。例えば脳梗塞をしたお爺ちゃんが尿を我慢出来なくて、しょっちゅうトイレに行ったり、漏らしたりする事があります。このような場合が「蓄尿障害」で、過活動膀胱も関わって来ます。一方、背骨の病気、圧迫骨折や脊柱管狭窄症などで下半身が痺れたり、動かなくなったりすると、尿が出なくなる事があります。この場合は「(尿)排出障害」と呼びましょう。「蓄尿障害」は過活動膀胱(2012年12月号)などでも取り上げられていますので、今回は神経学的に見た「排出障害」について少しお付き合い下さい。

排出障害で一番多いのは、もちろん男性における前立腺肥大症です。この場合は尿道を開かせる薬、膀胱の力を強くする薬、前立腺を小さくする薬等を使って治療が始まります。しかし、永い間薬のみを使っていて、尿の出方が悪い状態が続くと、膀胱の尿を出す筋肉が疲れて力が無くなってしまいます。そうなると手術をしても尿が良く出るようにならなくなってしまいます。そうならない為に時々は尿の勢いや膀胱に尿が残っていないかを調べると良いでしょう。理想の排尿は尿が「スー」と出て(尿流良好)、膀胱の筋肉に負担のかからない(低圧排尿)状態です。神経からの排出障害ですが、その原因は色々あります。先に述べた背骨の病気もあります。更には糖尿病で足の神経が麻痺するのと同じように膀胱の神経が麻痺したり、手術で膀胱の神経が傷ついたり、精神安定剤で膀胱の神経が安定して尿の出が悪くなる事もあります。このような場合、尿が出なくて苦しいと感じる事も感じない事もあります。場合によっては腎臓の機能が悪くなり腎不全が見つかる場合もあります。診断としては、尿の勢いや膀胱に尿が残っていないかを調べ、おかしいようなら、膀胱に二酸化炭素か生理食塩水を注入して、膀胱がどう反応するかを調べます。同時に尿が漏れないようにしている筋肉(尿道括約筋)の状態も調べていきます。その結果で治療法を考えて行くのですが、薬による治療で良い場合も多いです。

しかし、中にはそうはいかない場合もあります。膀胱が尿を出そうとすると括約筋が閉まってしまい尿が出ない状態になる方もあります。その時に血圧が異常に上がって、脳出血などを起こす患者様もいらっしゃいます。何とかしなくてはいけません。

膀胱に力が入らなくなっている方もいらっしゃいます。管を入れておく事も可能ですが、それだと細菌が入りやすくなってしまいます。そこで登場するのが「自己導尿」です。1日4〜6回自分で尿道に管を入れて尿を出します。一見細菌が入りそうですが、尿を出し切りますので管を入れっぱなしより感染は起こしにくいです。痛いと思われがちですが、慣れればそんなことはありません。やっていただいている方々からは痛いというお話はあまり頂いてはおりません。

膀胱は「おしっこ」を貯める事と出す事の二つを行う、結構複雑な臓器なのです。「おしっこ」の事でお困りの事がありましたら、恥ずかしがらずに、お気軽に主治医の先生、または泌尿器科医にご相談頂けたら幸いです。


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