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病気のはなし

ノロウイルスなどの感染性胃腸炎の集団感染を防ぎましょう〜嘔吐物などの処理方法について〜

小児科 石川 久美子
(緑のひろば 2010年3月号掲載)


毎年、初冬から春先にかけてノロウイルスなどによる感染性胃腸炎が流行しています。ノロウイルスは主に経口感染(汚染された食品を食べる)しますが、飛沫感染(感染者の嘔吐時)、接触感染(感染者の嘔吐物や下痢便に汚染された物への間接接触)、塵埃感染(感染者の嘔吐物や下痢便が環境中に放置された場合にエアロゾル化したものを吸入)などの経路で集団感染につながることもあります。2006年に国内ホテルで発生した436名の集団感染は、嘔吐物で汚染されたカーペットの消毒が不十分であったために、乾燥したウイルスが塵埃となって舞い上がったことが原因であったと推察されています。
感染者の嘔吐物や便の中には多量のウイルスが含まれており、注意して処理する必要があります。ノロウイルスには消毒用アルコールは効果が低いため、塩素系の漂白剤(キッチンハイター等)・消毒剤(ミルトン、ピューラックス等)を使用します。汚物の処理をする際は、使い捨てのマスクやゴム手袋を着用します。

◆嘔吐物や下痢便の処理◆
濃い消毒液(500mlの空きペットボトルにキャップ2杯の塩素系漂白剤を入れ、水を加えて500mlにする)を用意します。
・嘔吐物は消毒液を浸したペーパータオルで覆い、静かに拭き取ります。消毒液を浸した新しいペーパータオルで床を数回拭き、最後に数回水拭きします。
・使用したペーパータオル、ゴム手袋、マスク等をビニール袋に入れ、消毒液を加えて密閉して捨てます。
・オムツは下痢便を包み込みビニール袋に入れ、お尻拭きに使用したペーパーも一緒に消毒液を加えて密閉して捨てます。

◆トイレや洗面所、パジャマやリネン、汚物が飛んだ場所の処理◆
薄い消毒液(2〜2.5Lの空きペットボトルにキャップ2杯の塩素系漂白剤を入れ、水を加えて2〜2.5Lにする)を用意します。
・トイレや洗面所は、洗剤で汚れを落とした後に消毒液で拭きます。
・床や壁やドアノブは、消毒液をペーパータオル等に付けて拭き取ります。
・パジャマやリネンは、洗浄後に消毒液に30分浸してから洗濯します。すすぎの後は、高温の乾燥機、スチームアイロン、布団乾燥機を使うと良いでしょう。

一番大切なことは感染の予防です。調理器具は洗浄と消毒を徹底しましょう。また、日頃からよく手を洗い、ウイルスから身を守りましょう。


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