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病気のはなし

思春期のうつ状態

精神科 中 康

うつ状態とは

思春期にある若者のかなり多くの方々が、うつ状態を呈して当科の外来を受診されます。気分が落ち込み、悲観的になり、時には死んだ方がよい等の深刻な気持ちを抱えていることも少なくありません。背景には、不登校が続いていたり、親子関係の困難を抱えていたり、それぞれに悩みを抱えた末にうつ状態に陥っていることが多いように思われます。

成人のうつ病との違い

しかし成人のうつ状態と比べると、うつ症状が出揃っていないことが少なくありません。例えば、死にたいという深刻な気持ちを抱えていても、食欲はあったり、昼夜逆転があっても睡眠不足が見られなかったりします。

成人のうつ状態でうつ症状が出揃っている場合には、抗うつ薬による薬物療法の効果がみられることが多く、その上で様々な相談を行っていきます。

しかし思春期のうつ状態で、うつ病症状が出揃っていず、背景に同年代の友人や親との間での不安や葛藤が大きく悩みになっている場合には、抗うつ薬による効果はあまり期待できません。そのような場合には、思春期特有の人間関係の悩みを相談によって解決していくことによって、うつ状態から抜け出ていくことが可能となります。

ただ一部には、抗うつ薬の効果がある場合もあり、あくまでも個別の評価が重要となります。また思春期の場合は抗うつ薬の安全性が十分確立されていず、うつ状態が悪化させてしまう危険もあるため、抗うつ薬を使用する場合には慎重な姿勢が必要となります。

相談を通して、思春期の発達課題に取り組む

思春期年代には、その時期に取り組んで解決していかなければいけない課題がいろいろあります。例えば、男性あるいは女性としての体に慣れていく、徐々に親離れをしていく、同性の友人を怖がらずに親密な関係をもつ、自分の進路を決めていく、異性に対しても関心を向けていく等があげられます。思春期のうつ状態の背景には、人に自分の気持ちを表現することへの不安や緊張が強く、思春期の発達課題をうまく越えられずにいることが少なくありません。そのような行き詰まった点について相談を行っていくことで、年齢相応の発達課題に取り組んでいけるようになれば、前向きに自分の道を歩むことを再開し、うつ状態から抜け出していくことができます。

親ガイダンスも併用し、親の対応も工夫していく

思春期にある若者自身の相談と並行して、思春期の子どもを抱えた親の相談も重要となります。思春期の若者がいくら頑張って、親に対して自分なりの自己主張をしたり、友人と好きなように交流を持とうとしても、両親が子どもの言い分に耳を傾けなかったり、友人との自由な交流を妨害してしまうようでは、親子関係は膠着し、思春期の発達課題への取り組みは困難になってしまいます。そこで両親が、思春期の子どもの発達課題を理解し、思春期の子どもに対してどのような接し方をしていけばよいか、どのような接し方をしてはいけないか等について相談に通い、協力して対応を工夫していくことが必要になります。この親の相談を「親ガイダンス」と言います。親ガイダンスを受ける中で、子どもの発言に耳を傾け尊重して聞く、子どもの自主性を尊重し子どもが自由に行動できる領域を広げていく、子どもの前で夫婦喧嘩をしない等の対応ができるようになれば、思春期の子どもが前向きに伸びていきやすい環境を提供できるようになっていきます。

相談のすすめ

以上のように、思春期のうつ状態は、子どもと両親それぞれが相談を継続することによって、解決方法を少しずつ見出し、乗り越えていける可能性があります。思春期の若者自身の相談はもちろん、親だけの相談もお受けしていますので、是非ご活用ください。


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