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病気のはなし

レヴィ小体型認知症(治療について)

神経内科 橋真
(緑のひろば 2015年8月号掲載)


はじめに

 レヴィ小体型認知症(Dementia with Lewy bodies: DLB)はアルツハイマー病、脳血管認知症についで3番目に多い認知症で、全国で50〜100万人前後の方が罹患しているといわれています。ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、全国放送のテレビCMも流れ、この病気の認知度がさらに上がってまいりました。
 前回は2013年9月に当科の稲葉医師がレヴィ小体型認知症全体についてのお話をしましたが、今回は治療に的を絞ってお話しさせていただきます。

レヴィ小体型認知症の治療

 現時点ではまだ根本治療は見つかっておりませんが、症状を軽減する方法はたくさんあります。治療対象となるのは@認知機能低下と精神症状、A自律神経症状、Bパーキンソン症状の大きく3つに分けられます。レヴィ小体型認知症では薬物に対する過敏性があり、通常量でも副作用が出やすいため、少量で使用することも多いです。

認知機能低下と精神症状の治療

 レヴィ小体型認知症では物忘れや物事を計画・遂行することが苦手になります。いるはずのない人や動物・モノなどが見える幻視や、物を取られる、人が入れ替わるなどの妄想も見られます。
 これらの症状には2014年9月より保険適応となったアリセプトRを主に使用します。認知機能や幻視には効果が出やすい一方、妄想には効きにくいです。アリセプトの副作用でイライラする場合には、他の認知症薬を使用します。
 幻視や興奮症状には抑肝散Rという漢方薬が効果を発揮します。味と量の問題で少し飲みにくく、カリウム濃度の低下に注意が必要ですが、使いやすいお薬です。

自律神経症状の治療

 便秘や立ちくらみ、頻尿などの自律神経症状は日常生活を大きく妨げるため、しっかりとした治療が必要です。
 便秘があると飲み薬が吸収されにくく、すべての薬の効果が悪くなります。水分や食物繊維をとり、適度な運動などを行い、不十分なら下剤を使用します。
 レヴィ小体型認知症では血圧が下がりやすく、急に立ち上がった時やトイレの前後にふらつき、ひどいと失神します。もともと高血圧で降圧薬を飲んでいる場合には減量や中止が必要です。水分や塩分を摂取し、弾性ストッキング(少しきつい靴下のようなもの)を履くことで症状を改善させますが、不十分な場合には血圧を上げる薬を使用します。寝た時に逆に血圧が高くなり過ぎる場合には、少し頭を上げて寝るなどの工夫が必要です。
 食事中に寝てしまう場合には、食事性低血圧(食事により血圧が下がる)の可能性を考えます。食べ物を口に入れたまま失神すると、誤嚥や窒息の危険があるため、疑わしい場合には24時間血圧計で調べます。食事性低血圧の場合は、食事時間を短くして回数を分けたり、炭水化物を減らしたりします。
 頻尿や失禁は生活の質を落とし、不眠の原因にもなります。過活動性膀胱や前立腺肥大に使用する薬で改善が見込まれますが、血圧が下がりやすくなるため、とくに起立性低血圧の方は注意が必要です。

パーキンソン症状の治療

 手足のふるえや関節の硬さ、バランスの悪さなどのパーキンソン症状にはL-dopaという薬を中心に抗パーキンソン病薬を使用します。副作用で眠気や幻覚が出現することがあり、少量から注意して使用します。

その他の治療

 薬剤以外の治療法では会話や運動が重要です。家の中にこもってテレビを見続けるような生活は病状を早く進行させてしまいます。趣味などを積極的に行い、色々な人と会話する機会を設け、また散歩などの適度な運動も定期的に行いましょう。


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