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病気のはなし

「人間ドック」について

健康管理科部長 宮尾 益理子
(緑のひろば 2012年4月号掲載)


皆様は、人間ドックを受診されたことがありますか?

人間ドックは、外来や短期間入院で行う精密な健康診断です。会社に勤めている人は労働安全衛生法に基づいて年に1回定期健康診断が義務付けられています。他に健康増進法に基づく自治体のがん検診や、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、40歳以上の方に健康保険の保険者が行う特定健康診査(メタボ健診)などがあります。これらの健診は健康管理に役に立ちますが、内容が限られていますので、体全体を調べるには限界があります。

人間ドックという言葉は、戦前に某政治家が東大病院に健康チェック目的で入院した際の記者会見で、病気ではないことを表すため航海から帰港した艦船がドライドックに入る事に例えたことから生まれました。「dock(ドック)」は、船が次の航海で事故が起こらないよう、故障していなくとも、点検・修理をするために入る場所です。その後1954年(昭和29年)に、今のようなスタイルの人間ドックが「短期入院精密検査」とよばれて日本病院会会員病院から生まれ、この年に読売新聞の記事に「人間ドック」が特集されて定着したとされています(語源由来辞典などより)。

我が国の死亡原因は、戦前は肺炎や胃腸炎、気管支炎などの感染症で、1930年代から戦後しばらくは結核が死因第1位でした。BCG接種による予防、ツベルクリン検査と全国民対象の胸部X線検査による早期発見、化学療法による治療の浸透で結核死は大幅に減少し、その後は、脳血管疾患、心疾患、悪性新生物が3大死因といわれる時代が続いています。人間ドックが誕生したのは、予防、早期発見の対象が結核から、これらの病気になった時期に当たります。当院の推移もこの流れを反映しており、1953(昭和28年)年に結核病棟を中心に開設され、1959年(昭和34年)に「人間ドック」をスタートし、50年以上人間ドックに取り組んでいます。

主要死因別死亡率
グラフは、我が国の主要死因、死因別死亡率の長期推移の図です。
戦前の死亡原因は肺炎や胃腸炎、(加えて、ここではあらわしていない気管支炎)などの感染症でした。1930年代から戦後しばらくは結核が死因第1位でした。
その後は、脳血管疾患、心疾患、悪性新生物が3大死因といわれる時代が続いています。

現在の人間ドックは、我が国の死因の7割以上を占める生活習慣病を中心に、効率的に全身の検査をうけられるシステムが基本となっています。生活習慣病は、体質(遺伝)に好ましくない生活習慣(食べ過ぎや運動不足、過度の飲酒、喫煙、ストレスなど)が深く関連し発症する病気です。大きく分けて、糖尿病、高血圧、高コレステロール血症など動脈硬化性疾患(心筋梗塞や脳梗塞など)の危険因子となる病気と、肺癌、食道癌、肝臓癌、肝硬変など直接臓器を障害し死に至る病気があります。生活習慣の改善で予防、改善が期待できる病気なので、健診やドック受診により医療が必要となる前段階で気づけば未病を治すこともできます。また、その他の病気の早期発見にも対応しています。

人間ドックは、あらゆるニーズに応えるため、施設によって特色があります。現在当院のドックでは、子宮癌や乳癌、前立腺癌など、女性、男性に特有の疾患、骨粗鬆症など加齢にともなう疾患、動脈硬化度、睡眠時無呼吸症候群、大腸ファイバー、脳ドックなどを追加することができ、今後も更にメニューが増える予定です。

普段、医療機関にかかっていない方はもちろん、「高血圧」「脂質異常症」「慢性肝炎」などで、定期的に医療を受けている方も、全身の健康状態について、総合的に、検査、診療を受ける機会はあまり多くはありません。寿命、健康寿命をのばすために、人間ドックを定期的に活用することをお勧めします。


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