このページでは、Javascriptを使用しています

病気のはなし

不登校について

精神科 菊地 秀明
(緑のひろば 2012年2月号掲載)


不登校に陥ってしまう子どもの数は、十数年前と比較して高水準で推移しており(全国で小・中学を合わせると12万人前後)、当院においても、不登校やひきこもりについてのご相談が数多くあります。

【思春期の子ども】
思春期に子どもは、親に依存する存在から自立した存在へと徐々に変化していきます。親離れをしていくとともに、同世代の仲間との交流が増え、同性の友達と将来の夢や生き方、異性のことなどについて語り合ったり、部活動などを通じて競い合ったり、励まし合ったりする中で、男の子は男の子として、女の子は女の子としての自信を高めていきます。そして親以外の、友達や学校の先生などから様々な価値観や考えを取り入れて、親とは違った自分というものを作り上げていきます。

【不登校に陥ってしまうと】
ひきこもった家の中でしばしば認められるのが、異性の親への密着や子ども返り、家族に対する暴力、原因不明の身体症状(腹痛や吐き気、めまい、朝起きられない)などです。それらは悪循環的に続いてしまうことも多く、本人だけではなく、家族も苦しむことになります。
そして不登校が長期化すればするほど、大人への変化に必要な学校生活や仲間関係から離れることになります。即ちそれは、社会的自立のために必要であり、思春期で身につけなければならない、主体性や積極性、自己表現、自己決定するなどの能力が身につかなくなることを意味します。

【不登校の原因について】
『不登校』と言っても、それは表面的な事象でしかありません。「学校でいじめにあったから、行けなくなってしまったんだと思います」と話される親御さんは多いのですが、単純にいじめだけが原因ということは少なく、例えば、元々のお子さんの心のありようはどうであったか。友達との関係はどうであったのか。いじめを受けた時にお子さんはどう考え、どう対応したのか。そして親御さんはどう対応したのか。そもそも家ではお子さんはどのくらい親御さんから自立していたのかなど、複数の要因が関連しています。
そして多くのお子さんは、学校に行かなくちゃいけない、行かないと自分の将来が見えなくなってしまうと思いつつも、行こうと考えただけで強い不安(無意識的な心のブレーキ)が現れます。そして、その不安の高まりから、めまいや吐き気などの身体症状が出現したり、登校させようとすると親に物を投げつけたり、暴力を振るってしまったりします。

【治療への第一歩】
不登校が長期化すると、親御さんは将来を含めたお子さんのことがとても心配になります。しかし一方でお子さんのほうは「学校なんか行かなくったって良いんだ」「自分の将来なんてどうなったってかまわない」などと自暴自棄的になってしまったり、病院への受診を嫌がってしまったりすることが多いです。そのような場合には、親御さんだけでもご相談にお越しいただき、その後の対応について一緒に考えていくことになります。

【当院での治療について】
当院の精神科は、児童・思春期のお子さんの不登校治療を積極的に行なっております。
まず受診当初は、不登校に陥ってしまった経緯や生い立ちについて詳細にお聞きします。そしてどのような背景から不登校に陥ってしまったのかを理解し、そのお子さんやご家族にとって必要な治療(外来もしくは入院での個人精神療法、集団精神療法など)を考えていきます。特に、不登校が長期化するなど膠着状態に陥っている場合や、親への密着が強く自立がなかなか図れない場合、家庭内暴力が激しい場合などは入院治療をお勧めしています。


交通のご案内

今月の担当医

休診情報

公立学校共済組合の皆さんへ


採用情報

看護部Webサイト

ボランティアについて

行事・イベント

病院広報誌 緑のひろば

日本医療機能評価機構認定病院

厚生労働省臨床研修指定病院

このページのトップへ