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病院広報誌

緑のひろば

2009年3月号

【55.癌の薬物療法:癌化学療法《V》―副作用;化学療法中の日常生活―】


癌の治療は、入院して治療することから、QOL(生活の質)の改善を目指して外来で治療を行う『外来化学療法』へと変化してきました。それに伴って、「化学療法を始めることで日常生活が変化してしまうのではないか」などと質問をされる方もいます。もちろん、今までと全く同じというわけにはいきません。そこで外来通院で抗癌剤治療を受けている方の日常生活について、患者様やご家族に注意していただくことがあります。ちょうど風邪をひいてしまった時は暖かくして、ゆっくり体を休めるなどの注意(心がけ)が必要となるように、抗癌剤の副作用に対して、化学療法中に注意していただく事柄がいくつかあります。

以下は、抗癌剤の副作用に対する日常生活の心がけです。

1.白血球の減少に対して(白血球は、細菌などと戦います)
@外出から戻ったら、必ず手洗いとうがいを実行しましょう。
A体を清潔に保ちましょう。
2.吐き気、下痢などの消化器症状に対して
@少しずつゆっくりと食べましょう。
A味付けは薄めで、匂いの強いもの、脂っこいものなどは避けましょう。
3.血小板減少症などに対して(血小板は、血液を固める働きがあります)
@歯の治療をするときは、歯科医に化学療法を実施中であることを告げましょう。
A出血に注意しましょう。
4.口内炎に対して
@食後、寝る前に歯磨きをして、口の中を清潔に保ちましょう。
A比較的柔らかい歯ブラシを使いましょう。
5.脱毛に対して
@頭皮を清潔に保ちましょう。
A洗髪のとき爪を立てたりしないようにしましょう。
B少し薄めたシャンプーでやさしく洗髪しましょう。
Cパーマや強い整髪剤は避けましょう。
6.その他
@規則正しい生活と十分な睡眠をとりましょう。
A化学療法を受けている病院以外の病院、医院を受診するときは、化学療法を実施中であることを受診先の医師に伝えましょう。

いろいろたくさん書きましたが、よく見れば規則正しい普通の健康的、衛生的な日常生活です。ちょっとした注意をしながら治療中も普通の日常生活が続けられます。

最後に、念には念を入れて、稀に起こる注意事項を示して今回は終わりにします。

【1】38℃の発熱
【2】出血や出血傾向(鼻血、歯肉からの出血、血便、血尿、性器からの不正出血、傷の出血が止まらないなど)
【3】1日3回以上の嘔吐と吐き気がおさまった後も食事が取れない
【4】1日5回以上の下痢や排便のたびにどんどん悪くなる下痢
【5】腹痛、頭痛、腰痛などの激しい痛み
【6】呼吸のしにくさ
【7】浮腫みなど

こんなときは早めに担当の医師や看護師、薬剤師に連絡をしてください。

薬剤部 篠原嘉篤



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