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病気のはなし

体に負担の少ない手術(低侵襲手術)への取り組み

呼吸器外科部長   加藤 靖文

 呼吸器外科では、肺癌だけでなく、気胸、膿胸や胸腺腫などの縦隔腫瘍といった疾患に対して、身体への負担の少ない低侵襲手術に取り組んでいます。本年6月より医師が1名増員となり、常勤医2名、非常勤1名の診療体制に強化され、積極的に最新の術式に取り組んでいますのでご紹介したいと思います。

 肺癌など悪性腫瘍の手術は、かつては背中から脇にかけて、皮膚を20cm以上切開し、筋肉を切開し、肋骨を切って、両手が入る状態で直接眼で診て手術を行っていました。2000年代に入り、胸腔鏡というカメラの飛躍的向上、手術器具の改良等により、皮膚切開が小さくなり、徐々に胸腔鏡手術の割合が高くなってきました。

 肺の手術で、体の負担の少ない手術(低侵襲手術)には、大きく2つの考え方があります。
ひとつは胸腔鏡というカメラを使用する方法で、皮膚、胸壁の傷を小さくすることが出来ます。従来の大きく切開する開胸手術と比べて、当然、傷が小さく済むため、術後の痛みが軽減できるのが一番のメリットといえるでしょう。また、美容上のメリットも挙げられます。開胸手術と同等レベルの質を落とさず切開による傷を小さくする試みとして、当科では、肺癌の標準術式である肺葉切除は2〜3cmの傷2つと1〜2cmの傷2つの計4つの小さな傷で行う手術を始めました(図1)。気胸の手術においては2つか3つの傷で行います。重症筋無力症を合併していない大きくない胸腺腫に対しては、単孔式縦隔腫瘍手術と言って、従来の胸骨正中切開の大きな傷に比べて、みぞおちに1つの穴で済む方法を行っております(図2,3)。これは正中切開よりも疼痛軽減の効果が大きいです。

 一方、もう一つは、切除する範囲を根治性が損なわないように小さくする試みです。一般に区域切除、部分切除といわれる方法です。術前のCT検査によって、今までは見つからなかった小型肺癌、肺癌であっても進行のほとんどない微小浸潤癌(図4)、前癌病変がみつかるようになったことで、切除範囲を小さくできるようになりました。これらの病変の進行度や患者さんの全身状態に合わせて、適切な範囲で小さく切除し、根治性をできるだけ損なわないで、残す肺を多くすることにより、できるだけ呼吸機能を温存しようという試みです。

 このように一般的になってきた低侵襲手術ですが、重要なのは根治性を損なわないことが大前提です。再発なく、日常の生活の質を落とさないような手術を目指し、スタッフ一同、日々、研鑽しています。治療法はケースバイケースですので病態、全身状態を考慮の上、説明、相談し、選択してきます。ご遠慮なく、なんでもご相談下さい。

 

図:胸腔鏡手術(左)と開胸手術(右)
図1) 胸腔鏡手術(左)と開胸手術(右)

 

図:単孔式縦隔腫瘍手術(左)と胸骨正中切開(右)
図2) 単孔式縦隔腫瘍手術(左)と胸骨正中切開(右)

 

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図3)

 

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