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病気のはなし

過活動膀胱について

泌尿器科 部長 町田 竜也
(緑のひろば 2012年12月号掲載)


 皆さんの中には、外出先でいつもトイレの場所を心配している、バス旅行で次のトイレ休憩が気になる、おしっこが近くて仕事に集中できないといった症状でお困りの方はいらっしゃるでしょうか。これらの原因はもしかしたら過活動膀胱という病気かもしれません。あまり聞きなれない病気かもしれませんが、今回はこの過活動膀胱について少しお話したいと思います。

 現在、過活動膀胱の国内における推定患者数は約 810万人といわれています。年齢別にみてみると、40歳代では約5%ですが、加齢とともに増加することが知られており、80歳以上では約37%になります。男女別にみてみると、男性の約14%、女性の約11%と男性がやや多い傾向にあります。またある統計によると、高血圧に次ぐ患者数であり、糖尿病や脳梗塞、脳出血よりも多いとされています。以前当科で世田谷区居住者にアンケート調査を行った際もほぼ同様の結果が出ており、特別な病気ではないのです。

 では過活動膀胱とはどんな病気でしょうか。簡単にいうと、以下の症状を呈するものと言って差し支えありません。

@尿意切迫感:急に起こる、抑えられない強い尿意で我慢するのが困難なもの
A昼間頻尿:目安として昼間排尿8回以上
B夜間頻尿:目安として夜間排尿1回以上
C切迫性尿失禁:尿意切迫感があり、我慢 ができずに漏れてしまうこと

 ただしこれらの症状のうち、@の尿意切迫感は診断に必須の症状ですが、Cの切迫性尿失禁は診断に必須の症状ではありません。このように過活動膀胱は、患者さんの症状による診断が基本となります。  次に過活動膀胱と診断された場合に、どのような治療をするのでしょうか。

@薬物療法
これが治療の中心となります。膀胱が過剰に収縮して尿を出そうとする反応(まさに過活動とはこのことです)を抑えることで症状を和らげる抗コリン剤という薬を投与します。ときに口渇や便秘の副作用がみられることもあり、また緑内障では投与できないこともあるります。また最近は抗コリン剤とは違う作用の薬も登場して、抗コリン剤では効果が不十分な方や口渇や便秘で抗コリン剤が服用できない方に対する治療も可能になりつつあります。

A行動療法
過剰な水分やカフェインの制限、排尿習慣の変更、少しずつ排尿間隔を延長して膀胱容量を増加させる訓練、骨盤底筋体操などがあります。  先ほども述べたように@の薬物療法が治療の中心ですが、そこにAの行動療法を組み合わせることにより、さらに高い治療効果が期待できるのです。

 最後になりますが、症状は過活動膀胱に当てはまる場合でも、尿路感染、尿路結石、膀胱腫瘍や前立腺腫瘍といった病気が隠れていることがあります。泌尿器科では、過活動膀胱はもちろんですが、こうした病気も含めて診断と治療をおこなっていますので、気になる方はぜひ受診されることをおすすめします。


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