このページでは、Javascriptを使用しています

病気のはなし

前立腺肥大症と手術療法
(HoLEP:経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術)

泌尿器科 大森 洋平
(緑のひろば 2011年7月号掲載)


高齢男性の多くが前立腺肥大を発症しており、50歳の50%、80歳では80%以上がその問題を抱えていると言われております。これは癌とは異なり、生理的に発生する組織の肥大が原因です。つまり高齢男性は皆、程度の差があるものの、肥大が存在します。「排尿して間もないのにまたトイレに行きたくなる」「排尿後なのにすっきりしなく、残っている感じがある」「夜間何回もトイレに起きる」「若いころにくらべて尿の勢いがない」「尿が漏れる」などといった症状をお持ちの方はまさに前立腺肥大を発症していると考えられます。

その治療法に関しては、多くの場合、飲み薬で症状の改善を試みます。肥大による閉塞を緩和してスムーズな排尿を促す、膀胱の尿を蓄える機能を補助して漏れるのを抑える、といった作用の薬など種類は豊富で、多くの方は内服によって症状の改善を得ることができます。けれども、内服薬は根本的な治療法ではなく、その効果を維持するためには飲み続けなくてはなりません。また非常に大きく腫大してしまった前立腺には効果が望めないことがあります。内服であまり改善しない方に対しては症状の改善と根本的な問題の解決のために手術治療という選択枝があります。

前立腺肥大に対する手術方法として、昔からTUR-P(経尿道的前立腺切除術)という治療法があり、世界的に広く行われておりました。当院で現在施行しているHoLEP(経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術)はレーザーメスを用いて肥大した腺腫を止血しながら切除し、核出(くりぬくイメージ)するといった比較的新しい治療法です。尿道から手術器具を挿入して操作をするため、体の表面に傷が残るわけではありません。TUR-Pと比較して出血、および術後の疼痛が圧倒的に少なく、安全に施行できます。また100mlを超える(若い方の正常前立腺は20 mlほど)ような、従来であれば開腹手術(おなかを切る手術)でなければ治療できなかった前立腺に対しても問題なく施行でき、大きさに制限なく施行可能といったことも特徴として挙げられます。さらに腫大してしまった部分を残すことなく確実に核出できることから、再発が少ないといった点も長所と言えます。

HoLEPは1998年にニュージーランドの泌尿器科医によって開発されましたが、現在に至ってもその術式の困難さから、欧米においてもそれほど広まっているとは言い難く、むしろ日本が世界をリードしているのが現状です。レーザー機器の普及とともに、日本国内で施行する施設が急速に増えてきているものの、都内においてもまだ多くの施設で施行されてはおりません。当院では2009年より開始し、現在までに多くの方が夜間頻尿の減少、尿の勢いの回復といった様々な症状の改善を認めております。

高齢化社会の進む現在、前立腺肥大に基づく排尿障害でお困りの方の問題は今後益々深刻化していくと考えられます。排尿状態に関する症状でお困りの方は一度泌尿器科を受診してください。当院泌尿器科では内服投与はもとより外科的処置にわたって、様々な角度から前立腺肥大症の治療を行っていきたいと考えております。


交通のご案内

今月の担当医

休診情報

公立学校共済組合の皆さんへ


採用情報

看護部Webサイト

ボランティアについて

行事・イベント

病院広報誌 緑のひろば

日本医療機能評価機構認定病院

厚生労働省臨床研修指定病院

このページのトップへ